城南の紫陽花
命の尊さを教えてくれる城南の紫陽花
舞鶴市立城南中学校
~ 紫 陽 花 の 碑 ~
|
校門を入って、すぐ右のフェンス沿いに、大振りの紫陽花が植わっています。毎年、梅雨時になると、色とりどりの花を咲かせ、私たちの目を楽しませてくれています。
城南中学校で平成16年の3月まで働かれていた技労員さんが、退任のあいさつの中で、この紫陽花にまつわる話をされました。
技労員さんの退任あいさつより
東舞鶴の国立舞鶴病院(現舞鶴医療センター)に、元気であれば城南中学校へ入学することができた少年が入院し、病気とたたかっていました。この生徒は早く元気になり、小学校の同級生や近所の友達が待ってくれている学校で、皆と勉強したり、広い校庭で思いっきり走り回って遊びたいと言っていたそうです。お医者様も手をつくされたのですが、残念ながら回復することが出来ず、城南中学校へ行くという少年の希望はかなえられませんでした。
少年の発案で病院の中庭に植えられることになったこの紫陽花をせめて少年の代わりにと、当時の小児科看護師長さんが持って来られました。私は、国道側の花壇に、校舎が見えるように植えたのですが、今では株が大きく育ち、梅雨の季節になると美しい花をたくさん咲かせています。
少年の魂も皆さんを見守っていることでしょう。
この少年と前後して、同じ病に倒れ、本来なら城南中学校に入学してくる予定でしたが、帰らぬ人となった少女の話もあります。
急性骨髄性白血病を5歳の時発病し、発病後は、国立舞鶴病院に入院し、敷地内に併設されている舞鶴養護学校で小学校4年生まで学びました。病気とたたかいながら、前向きに一生懸命勉強し、命いっぱい輝かせたのでした。